博多と長崎ハウステンボスに行った旅行記です。
目次
博多(1日目)
年末年始の交通費高騰を避けるべく、本命のハウステンボスに行く前に博多に泊まった。とにかく食べ物が美味しくて感動した。
明太フランス(フルフル)
友人に紹介された博多のフランスパンのお店である。明太フランスが絶品であった。ざくっと音がなる皮に、バターの染み込んだ中身、そしてがっつりと塗られた明太子。買ったその場で一切れ食べておいしさにうっとりしてしまった。残りを翌朝に食べた。朝になっても硬くなり過ぎておらず、パンを引っ張って噛みちぎる必要が全くなく、おいしさがそのままだったことに感動した。
(余談)そういえばドイツのパンは硬いせいか、「パンの皮(Brotrinde)」という単語がある。
博多ラーメン(Shin Shin)
博多ラーメンの味の差がわかるほどの肥えた舌でもないのだが、シチュエーションも加味すると人生で食べたラーメンで1・2を争う美味さだった。
この日の福岡はとても寒かった。クリスマス当日で、イルミネーションは綺麗で、人々も楽しそうだったが、我々の食事にあてはなかった。博多ラーメンの択が生まれてから、ShinShinに向かう道のりはとても寒く、頭に思い浮かべたとんこつラーメンへの欲望がはち切れんばかりに膨らんでいた。案外、「これを食べたい」と思った時に食べられることは少ない。今回はまさしく、食べたいと思った時に食べた豚骨ラーメンであった。合掌。帰りに土産で買いました。
長崎ハウステンボス(2日目〜3日目)
まとめると「あの」赤字体質のハウステンボスが、真剣にお金かけてハウステンボス自体の魅力向上に取り組んでいるんだなと感じて、ちょっと泣けた。
ハウステンボス とは
ハウステンボスとは、長崎県にあるオランダをテーマにしたテーマパークだ。東京ディズニーリゾート(ランド+シー)の1.5倍の敷地は、大きな運河が流れ、敷き詰められた石畳の上には縦長の愛らしい建物が並ぶ。昔は「占いの館」「鏡の迷路」といったいかにも地方テーマパークらしい施設ばかりであったが、近年経営母体が変わりアトラクションにも力を入れている。
春はオランダらしいチューリップ畑が美しく、夏や秋には様々な種類のバラが咲き誇る。年中美しく見応えのあるイルミネーションを行なっている。どの季節に訪れても景観がとても美しい。
地方ゆえの来場客の伸びなさから、経営難が何度か囁かれながらも生き延びてきた、日本最大の広さを誇るテーマパークだ。
私とハウステンボスの思い出、経営母体の変遷
わたしは親族が長崎出身であるため、幼い頃ハウステンボスには何度か訪れている。親族で出掛けて楽しかったという記憶と、「ちゅーりー」というチューリップのマスコットがいたことだけふんわりと覚えている。
大人になってからは「いうて地方テーマパーク」という印象であった。緩慢な速さでギコギコと音のなる設備、荒い映像に頼った子供騙しの仕掛け、土産で金を落とさせる仕組み。悪いことではなく、小さい頃はこんな仕掛けがとても楽しかったし、ハウステンボスは間違いなく佐世保市民の憩いの場であったのだ。人が集まらず経営が赤字という意味では悪かったのだが。
大学4年生の折に卒業旅行で向かった時から印象が変わっていく。チューリップの美しさとイルミネーションのきれいさが克明に残っている。大人になると景観を楽しめるようになるものだ。
景観への感動とともに経営母体がHISへ変わったことによって、明らかな集金の仕組みが構築されていたことに面白さを感じた。これは批判ではない。私は金を儲ける仕組みを見ると、快感を感じる性質なのだ。むしろ、経営破綻まで経験したハウステンボスが赤字脱却を図らんとしている姿に感動した。
当時、チケットはアトラクションに乗れる高めのチケットとアトラクションに乗れないチケットに分かれていた。子供騙し感を拭えないアトラクションを踏まえると、ファミリー連れは前者・大人の団体は後者を買うことになる。イルミネーションや花を目的として、少し値段の低いチケットを買った大人が園内でできることは、散歩か食事か買い物ーー金を落とすこと、なのである。ファミリーは高めのチケットを買わせて、大人の団体には金を落とさせる。これが当時のハウステンボスの金を儲ける仕組みであった。
近年、また経営母体が変わり、今のハウステンボスのチケットはUSJに近い方式に変わった。一般・子供という2種の入場券が売られており、どちらもアトラクションに乗ることができる。そして人気アトラクションに優先して入れる有料のエクスプレスパスを販売している。USJより価格は良心的で、人気アトラクション全パックで4,900円だ。
人気アトラクションとは何か。まずはミッフィーである。ハウステンボスはミッフィーエリアを作りアトラクションを3つ作った。オランダの画家が産んだミッフィーとハウステンボスは元々懇意であったが、昔はぬいぐるみなどのグッズが売店で売っていた程度で、アトラクションもエリアもなかった。2025年、ミッフィーをメインマスコットにしたハウステンボスに完全に作り替えた。(元・メインマスコットの「ちゅーりー」は姿を消した)

ちゅーりーが消えた寂しさはある。最後の売店にちょっとだけコーナーがあって嬉しかったが、懐かしのデザインではなく、2022に一新された新しいデザインのちゅーりーであった。2022年に一新されておきながら、2025年にはミッフィーに追いやられる。悲しきちゅーりー。
また、ディズニー並みに金をかけたアトラクションも建てている。ほぼソアリンだが映像を8Kに格上げした「エアクルーズザライド」が今年からできた目玉だ。実際、ソアリンで得た体験そのものだった。シアターに至るまでの装飾もディズニーと遜色ない。スタンバイだと60分、パスを使えば一瞬で入れるソアリンだった。他にも、スターツアーズを彷彿とさせるシアター型深海アドベンチャー「ミッション・ディープシー」の力の入れようもなかなかだった。こんな立派なもの作る金がハウステンボスにあったのか。
金がなさすぎてば〜りばりにショボかアトラクションを変えられず、チケットで差をつけることによって金を落とさせるハウステンボスが、本気で自身の魅力を上げようとしているのを感じた。
長いクリスマス期間 11/17〜1/5
ハウステンボスのおすすめはチューリップの季節である春であるが、今回のシーズンもかなり良かった。
クリスマスイベントを11/7〜1/5までやっていることが素晴らしい。25日に宿泊した博多駅では、25日のクリスマスマーケットの記憶も鮮明な翌26日には、「HAPPY NEW YEAR」の暖簾が掲げられていた。
季節のイベントごとを楽しむ機会がない時は日常を過ごせばよく、楽しめる機会があれば楽しんだ方が良いという持論であるので、24だか25だかの日付に対して熱意がないからこそ、26でも27でも28でもクリスマスを開催してくれるハウステンボスはありがたい。

しかも、12/24〜1/4は毎夜花火をあげている。都会で花火を見ようものなら偉い人混みでなんとか場所を確保して見上げ、疲れて帰るものだが、なんとハウステンボスはほどよく空いているのだ。イベントごとでも15分前に行けば最前で見られる。クリスマスも花火も両得できる年末年始期間はおすすめである。

15分前待機で最前
ミュージックショーやらイルミネーションショーやら年越し花火やらのイベントを夜実施していたのだが、どれも開始15分前に行けば最前で楽しむことができた。ディズニーを考えると恐ろしいことである。
イベントが始まるまで別の場所で遊び、イベントが始まりそうになったら向かい、イベントを楽しんで、また次の目的地に向かう。そういう、理想的だが都内のテーマパークではできない体験を実現できることには感動してしまった。
なお、冬休みということもあり、事実上ソアリン(エアクルーズ・ザ・ライド)やミッフィーアトラクションなどの人気アトラクションはスタンバイ待ち60分〜70分だった。どこもスカスカというわけではない。3〜4時間で人気アトラクションを回りたい場合はエクスプレスパスは必須である。また、今回は政治の関係で中国人観光客が少なかった影響も大きいだろう。
ハウステンボス歌劇団は歌劇に興味あるならおすすめ
ハウステンボス歌劇団というものがある。2013年に設立されたもので、構成員は女性。ハウステンボス内に専用の劇場を持ち、そこで公演を行なっている。
宝塚やOSK歌劇団の関係者が設立しているので、言ってしまえば擬似宝塚となっている。ミュージカルパートと、レビューパートがある構成も、最後にはトップスターが羽を背負って階段を降りる様相も近いものがある。レビューパートでお客さんにダンスを促すのも同じ。ただし、音響は録音で、舞台装置はなく映像投影である。
ここまでいうと安っぽいパクりのように感じられるし、実際予算を削っている部分もあると思うが、個人的にはとても良い体験ができた。歌劇に興味があるならぜひ訪れて欲しい。
何より誰でも間近で舞台を見ることができる。前4列は予約制のプレミアシートで有料席であるが、当日でも席を取ることができた。(前3列は熱心なファンで埋められていた。)しかも、5列目以降の無料の席は基本的に空いている。ホールなので席自体にそこまで遜色あるわけではない。役者が纏う衣装はとても見栄えするものになっているし、役者の演技・歌声も全く拙さを感じなかった。今回がラスト公演であるらしい、主役の愛那月ひかるさんは背中がとても広く感じられてカッコよかった。
そして、あくまでテーマパークに来ている客であることを慮ってか、公演は短く60分程度で終わる。そのためミュージカルの内容も起承転結がとてもわかりやすい。今回は、オーストリアの皇太子が政略結婚したにも関わらず、市中で会った娘にゾッコンになり、森で心中した話だった。皇太子の倫理の良し悪しはともかく非常にわかりやすかった。テーマパーク内で無料で観られる興行として、期待をいい意味で裏切ってくれたと思う。宝塚は友の会もありチケットを取るハードルも高いし、最初に歌劇を味わうならハウステンボス歌劇団が良いのではないだろうか。
なにより、今回主人公の友人男性であるフランツを演じていたチーム翔(ウイング)トップスター・海夏人 蒼馬(みなと そうま)さんの造形が神がかり的にかっこよかった。
…しかし、チーム名読めなさすぎる。
「雅(ブルーローズ)」「チーム輝(シャイン)」「チーム華(フラワー)」「チーム凛(ハート)」「チーム翔(ウィング)」「チーム奏(ハピネス)」の6チームで構成され、ハウステンボス歌劇大劇場にて毎日公演を開催。
ハウステンボス歌劇団オフィシャルサイト「歌劇団紹介」, https://www.huistenbosch.co.jp/htb-kageki/about (2025.12.29現在)
ホテルアムステルダムに宿泊すると24時間園内に行ける
ハウステンボスには直営ホテルがいくつかあり、多くがアーリーイン(開園1時間前に入園可能)の対象になっている。その中でも唯一園内に位置するホテルアムステルダムは、24時間いつでも園内に行くことができ、アトラクションこそ止まっているもののいつでも園内を散歩することができる。ハウステンボスの入り口とかでもなく本当に真ん中に普通の建物の顔して、ホテルアムステルダムは建っている。

朝食前の腹拵えに朝の空気を吸いながら静かな園内を散歩することもできる。冬の澄んだ空気の中で凸凹した石畳を歩く時間は非常に充実していた。

朝ごはんビュッフェも美味しい。豊富な種類のパンを中心とした洋食、佐賀の米を使ったご飯を中心とした和食に加え、皿うどん・角煮まんじゅう・カステラといった長崎の食材や、明太子といった福岡の食材が並ぶ。ここまで完璧で充実した朝食ビュッフェは初めてかもしれない。食べ過ぎて翌日の朝になってもお腹がすかない状況に陥った。

また季節を変えて行きたい
ディズニーランドやUSJほどの興奮を、ハウステンボスで得られることはないだろう。強化しているとはいえ、目玉となるアトラクションは5〜6個ほどである。待ち時間も少ないし、計画も密に立てる必要なく、やりがいみたいなものもない。
ハウステンボスの真髄は景観と広さにある。広い道に見渡す限りのゆったりしたヨーロッパめいた(しかし日本である)街を歩いているだけでで気持ちが晴れ晴れしてくる。3日間、しっかりといい思いしたなあというか、旅行っていいなあ、また行きたいなあと思える日々だった。

あとミッフィースクエアのツラをして九州物産をめちゃくちゃに詰め込んだ土産屋で14,000円近く土産を買うことになった。危険なことにホテルアムステルダムから近いから、すぐ運び込める。阿蘇のバジル、五島うどん、顎だし、限定ワイン、などなどなど。帰ってからもフードファイトは続くのである。楽しみ!
▼Photo galleryを更新した