無配研究 #0_なぜ無料頒布するの?

同人誌は有料頒布が普通です。有料頒布する根拠には諸説ありますが、結局「ほしい人に行き渡る部数発行したらお金が掛かりすぎるので、お金を頂かなければ趣味の支出で生活に支障が出る」ことが理由だと思います。スペース代だけで6,000円かかる上に飾り気ない同人誌でも100部刷ったら印刷費だけでも確実に10,000円超える世界です。交通費だってかかります。プライベート時間を全部差し引くくらいの労力(時間)も要する中で、せめてトントンにするくらいはお金をもらって活動した方がいいでしょう。

ただ、私はブレイクショット(赤ブーが開催するロンパオンリーイベント)やISF(アイマスのオンリーイベント)でずっと無料データ頒布をしています。80pだろうが70pだろうが100pだろうが全部無料です。名刺サイズのカードにQRコードを載せて、そのQRコードから漫画が読める方式を取っています。名刺サイズのカードは無料です。

私を例にして他の人に無料データ頒布を絶対に強制してほしくないし、ましてや「私なんかの作品で二次創作でお金を取りたくない」という自分を責める思いで無料頒布をして欲しくないと思っています。なので、そもそも何で私が無料配布しているのか、その全く高尚でない理由を記しておこうと思いました。

結論から記すと、私が無料配布しているのは、有料頒布に付随してしまうあらゆる精神的負荷の軽減のためであり、読み手のために無料配布しようと思うことは一切ありません。加えて、自分の作品がお金を出すに値しないといった卑下感情も一切ありません。さらに、無料配布しても問題ない経済力が(今のところ)あります。むしろ、どちらかというと読み手にとって不便な活動方式を取っている自覚があります。

帳簿書くのがめんどくさい

「確定申告をするのが面倒」という話を都度していたせいで、「同人誌を出すなら確定申告が必要」という誤解を与えてしまったようで申し訳ございません。正確には、「確定申告や住民税の申告をしなくて済むことを証明するために帳簿を5年分保存しておくことが非常に面倒であるものの、ふるさと納税やNISAなどの施策を後暗くないままきちんと使いたいので、欠点のないクリーンな状態にしておきたい」が正しいです。これをこれまで「確定申告が面倒」という誤った表現をしていました。

2023年12月現在では、20万円以上の利益を出さなければ確定申告は不要ですし、利益を出さなければ住民税の申告は不要です。ただ、それを証明するための帳簿をつけるのが面倒なので、いっそお金を頂かないようにしている次第です。

事務作業や細々した整理作業が本当に苦手なのと、こういった決まり事はきちんと守っておきたくなる性分なこと*から、帳簿をつける必要性を気に留めたくもなく、お金を出すことで心配を省けるなら省きたいだけです。

*アンダーテイル トリエル問題(リンク先アンダーテイルのネタバレ)と一緒です。

お金に余裕があるけど赤字だしまくれるほどではない

今の所仕事でお給料をいただいており、加えて実家暮らしなので、家族に諸々費やすお金を差し引いても貯蓄があるので、同年代より趣味に自由に使えるお金があります。仕事辞めたら同人辞めます。

しかし石油王ではない上に根が貧乏性なので、80pぐらいある同人誌を50部も100部も毎回刷って無料配布できるほど赤にはできないです。中途半端ですね。

無料配布、かかった費用分めちゃくちゃ赤なのでお金に余裕ないならやめた方がいいです。具体的には毎イベント2〜3万円以上は赤字出してます。来年のオンリーは6万円くらい赤いんじゃないかな。結構ちゃんと赤いです。

自分の漫画はデータで読むのが一番いい作りにしている

自分の本ってデータの状態が一番綺麗なので、見返すにしてもデータでしか見返しません。紙の本作った時に箱を開けて捲る瞬間の「わあ〜」が感情のクライマックスで、あとは本当に自分の本を紙の状態で見返さない。製本を想像してあれこれ作業することが苦手で、紙の状態が一番見やすいような漫画にしていないので、皆さんにも可能ならやっぱりデータで読んでほしいです。

最近、製本した時の「わあ〜!」を体験するためだけに刷っていますが、それが私の紙の本の価値の私に対するクライマックスです。「わあ〜!」のために刷っている分にはお財布にあまり響かないので、皆さんに行き渡るほど刷りません。

読み手に一番気を使わない方法である

無料配布が優しいと思われがちですし、お金を取った方がいいと諭されることもあります。しかし、実際は部数の少ない無料配布は有料配布より読み手に優しくないです。共通通貨であるお金を出して買えないので。しかし、一方、読み手のお金を頼りに刷っていないので、配布先の自由を得ていると思っています。

次の犬向本の再録では紙の本は「犬向オンリーご参加の方は無料」もしくは「ご当地品と物々交換」にしようと思っていますし、幽霊本は「狛日か狛+日の新刊と交換のみ(ただし表現に関する条件付き)」にしようと思っています。データはこれまで通り無料配布します。

イベントに来れない方に気を使う必要もありません。無配だから、通販という事務作業が壊滅的な私にとっては難しい作業なんて一切する必要ありません。本当に郵便局や運送屋とかに行くのが憂鬱です。「やらなければいけないけどできていない作業がある」という状態が苦手です。日常のあらゆる場面で「やっていないこと」を思い出してしまい、自分の精神にとってはかなり負荷になります。そういう特性です。

無配にすることで好き勝手頒布範囲を指定できる免罪符を得ている気分になっています。もちろん、別に同人誌の頒布方法に免罪符なんて全く必要ありません。でもやっぱり在庫を気にしなくてよくて、誰にも気を遣わなくていい気がするのでものすごく気が楽です。感想来ないしweb再録しなくていっか〜というのも好きにできます。

あと実際イベント会場で自スペでお金のやり取りしなくていいのめちゃくちゃ気が楽です。

結論、自分が苦手な精神的負荷のかかる状況を比較的余裕がある経済力でカバーすることで同人活動している、というのが今の状態です。読み手に気を遣っているような高尚な理由でも、あらゆる人に読んでほしいという理由でもありません。

ちなみに、無料データ頒布は紙の本より捌けません

無料頒布は別にたくさんの人に読んでほしいために行っているわけではありません。むしろ、無料データ頒布は異常頒布方法なので、事前にスペースを調べてくださっている自分のフォロワーしかスペースに来ませんし、フォロワー外が手に取ることはまずないので、紙の本を有償頒布した方が捌けます。これは自分だけでなく、別ジャンル・別の方も実証していただきました。

ただ、感想魔ということを知ってくださっているのがフォロワーの皆様なので、フォロワー以外のたくさんの方が読むよりも、異常頒布方法を理解してくださるフォロワーの皆様の方が感想くださるんですよね。なので閲覧量や頒布量を気にしないまま、この頒布方法をしています。

追記(2023.12.11)

にしても100円ぐらいとらないの?

一切無料としている理由は他サークルの方と価格における単純比較の土俵に上がりたくないためです。たしかに名刺印刷も無料じゃないですし、1枚100円程度かかっているので取るなら100円が妥当かなと思います。ただ、1円でもお金をいただくことで「このサークルは80p 100円なのにXXサークルは1000円なら、100円の方にしよう」という比較を産みたくありません。ヲタクは価格を気にせず同人誌を買っていると言いますが、実際にはある程度予算がある方はいると思います。

1000円の紙幣を手に握っている人が、中身に目を逸らし、ページ数と価格との単純比較をしてしまうことはあり得ると思っています。他スペースの本を手に取らない理由になりたくないので、無配にしています。

無配であれば受け取り手の予算を逼迫しないので、1000円の本は1000円で買い、無配は無配で受け取ると考えています。