No.379

初めて白髪が生えた。


 もう随分と伸びた白髪を3本見かけ、驚いた。毎日鏡を見て、髪を整えているのに案外見逃すものだ。

 白髪といえば母を思い出す。小学生の頃、母に白髪抜きを頼まれて、ピンセットで抜いていた。今思うと幼い話だが、家事の手伝いもろくにできなかった私にとって、母が助かるものといえば白髪抜きだった。母の頭を見つめて白髪を見つけては、定期的に声をかけて抜いていた。自分に生えた白髪を見て、だんだんとあの頃の母の年齢に近づいていくのだなと感じた。

 歳をとることに対してポジティブでありたいと思っている。誕生日は歳をとる苦しい日ではなく、いつまでも喜ばしい日であってほしいものだ。年齢を重ねることで世間の目も変わっていくが、しっかり目をつぶって自分の人生を楽しく歩んでいきたい。生きるということが嬉しいものであってほしいし、年齢を重ねることは人生を積むことであり、何かを諦めることであって欲しくない。 

 もうすぐ齢30歳。最近歳を取ったと実感することが増えてきた。行こうと思っていたN響のユースチケットが29歳までで、私は「ユース」の対象ではなくなった。だいたいのジムもユースは29までである。こうして「若年層」の対象外になっていく。

 白髪は結構衝撃的だった。たとえばほうれい線はじわじわと深くなっていくから、毎日鏡を見ても変化に気づかない。しかし、白髪に気づいた時は0→1なのだ。おお、こうして、歳を重ねていくと、「白髪染め」だとか「髪にボリュームを出したい」とか、そういう悩みが出てくるようになるのだと。

 そりゃあそうなんだけど、これからやりたいことをたくさん考えて、歳をとることが素敵なことでありたいな〜と思っていたけれど、歳を重ねれば健康の問題とか、今まで悩まなかったことに対する悩みとか、たくさん出てくるんだろうな。でも、負けずに、歳を重ねることは素敵なことだと抗い続けたい。新しい悩みも、よきように乗りこなしてやっていこう。それこそ白髪を抜くと母が喜んでくれると思っていた私のように。自分に白髪を抜きながら思った。

追記
帰って母に報告した。母は私の頭の白髪を嬉々として探していた。見かけたが見失った白髪を、楽しげに探し、選り分けて抜いた。白髪は抜かない方がいいらしい、といいながら。
最近、姉にも白髪ができたらしい。家族はみんな加齢していくんだな。姪だけが成長をしていく。

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